コラム
バランスが取れない原因は「筋力不足」じゃない〜鍛えているのにフラつく人が見落としている本当の理由〜

「片足立ちができない」
「ちょっとした段差でフラつく」
「運動しているのにバランスが安定しない」
こうした悩みを抱えている方の多くが、真っ先にこう考えます。
**「筋力が足りないからだ」**と。
ですが結論からお伝えすると、
バランスが取れない原因は、ほとんどの場合“筋力不足ではありません”。
実際、
・ジムでトレーニングをしている
・脚や体幹の筋トレをしている
・運動習慣がある
それでもバランスが安定しない方はとても多いです。
ではなぜ、筋トレをしてもバランスは良くならないのでしょうか。
その理由を、パーソナル×ピラティスの視点から解説していきます。
「バランス=筋力」という思い込みが生まれる理由

バランスが崩れた瞬間、人はほぼ反射的に
「支えきれなかった=力が足りなかった」
と判断します。
これは決して間違いではありません。
目に見える原因が「フラつき」「倒れそう」という“力負け”に見えるからです。
さらに、
・スクワット
・体幹トレーニング
・片脚トレーニング
こうした運動が「バランス向上」として紹介されることも、
筋力=バランスというイメージを強化しています。
結果として、
「バランスが悪い → 筋トレを増やす」
という思考回路が当たり前になっています。
実は「力が足りない場面」はほとんどない
ここで一度、冷静に考えてみてください。
・階段を上る
・電車で立つ
・靴下を片足で履く
これらはすべて片脚で体重を支える動作です。
それができている時点で、
日常生活レベルの筋力はすでに十分備わっています。
それにも関わらず
・目を閉じると不安定になる
・動きを加えると急にフラつく
・意識すると逆に崩れる
こうした現象が起こるのは、
筋力では説明がつかないのです。
筋力があってもバランスが崩れる人の特徴
現場でよく見られるのが、
「筋トレ歴があるのにバランスが苦手」な方です。
このタイプの方に共通するのが、
・踏ん張りが強い
・身体を固めて止めようとする
・動きがカクカクする
これは
「倒れないように力で止めようとしている」状態。
一見安定しているようで、
実際には微調整ができない不安定な立ち方です。
バランスとは
「倒れないこと」ではなく
「崩れそうになった瞬間に戻れること」。
この戻る力は、
筋力よりも感覚と反応の質に左右されます。
「鍛えるほど不安定になる」矛盾

バランス改善のために筋トレを続けた結果、
・力みやすくなった
・緊張が抜けなくなった
・動きが重くなった
こうした変化を感じる方もいます。
これは、
感覚が整っていないまま筋力だけを足した結果です。
例えるなら、
ズレたハンドルのままタイヤだけ太くした車。
スピード(筋力)は上がったのに、
コントロール(感覚)が追いついていません。
そのため、
「前よりも不安定に感じる」
という矛盾が起こります。
本当に必要なのは「支える力」ではない
バランスに必要なのは
長時間支え続ける力ではありません。
必要なのは、
・ズレを感じ取る力
・瞬時に調整する力
・無駄な力を抜く力
これらが揃うことで、
筋力は最小限でも安定します。
高齢の方や体格の小さい方が
驚くほど安定して立てるのは、
この感覚が保たれているからです。
「力を入れない方が安定する」体験
ピラティスや感覚トレーニングを行うと、
多くの方が最初に驚くのが
「え、力抜いた方が安定しますね…」
という感覚です。
これは
・足裏の接地
・骨盤の位置
・呼吸のリズム
が整い、
身体が自然に積み上がった結果です。
この状態では、
筋力は支える主役ではなく
必要な時にだけ働く脇役になります。
思い込みを手放した瞬間、バランスは変わる

「バランス=筋力」という思い込みを手放すと、
・頑張りすぎなくなる
・感覚に意識が向く
・動きが滑らかになる
結果として、
バランスは自然に安定していきます。
鍛える前に整える。
力を足す前に感じる。
この順番を間違えないことが、
バランス改善の近道です。
バランスが崩れる本当の原因①
「身体の位置」を感じ取れていない
バランス能力において最も重要なのが、
自分の身体が今どこにあるかを感じる力です。
これは
・足裏にどれくらい体重が乗っているか
・骨盤が前後左右どちらに傾いているか
・背骨がどの位置にあるか
といった感覚のこと。
これがうまく感じ取れないと、
筋肉は正しいタイミングで働けません。
結果として
・必要以上に力む
・一部の筋肉だけに頼る
・反応がワンテンポ遅れる
こうした状態になり、フラつきが起こります。
筋力が足りないのではなく、
情報が身体に届いていないのです。
バランスが崩れる本当の原因②
支える順番が間違っている
バランスが安定している人は、
身体を支える順番がとても自然です。
足裏で床を感じる 骨盤がその上に乗る 背骨が積み重なる 頭が軽く乗る
この流れがあるから、余計な力を使わずに立てます。
一方、バランスが苦手な人は
・いきなり体幹を固める
・脚を踏ん張りすぎる
・肩や首に力が入る
と、支える順番が逆になりがちです。
結果として、
「頑張っているのに不安定」
という状態が生まれます。
バランスが崩れる本当の原因③
動かないことで感覚が鈍っている
デスクワークやスマホ時間が長い現代では、
身体を細かく調整する感覚がどんどん鈍くなります。
特に影響を受けやすいのが
・足首
・股関節
・背骨
ここが固まると、
バランスを取るための微調整ができません。
すると身体は
「大きな力で一気に支える」
という方法を選びます。
これが
・グラッとする
・急に力が入る
・安定しない
原因になります。
筋トレだけではバランスは良くならない理由

筋トレは「筋肉を強くする」ことには優れています。
しかし、
・感じる
・調整する
・連動させる
といった能力は、筋トレだけでは育ちません。
むしろ、
感覚が整っていない状態で筋力だけを上げると
アンバランスが強化されることもあります。
「鍛えているのに不安定」
「運動するほど違和感が増える」
こう感じる方は、この状態に近い可能性があります。
バランスを取り戻すために必要なこと
バランス改善の第一歩は、
力を足すことではなく、感覚を取り戻すことです。
・足裏で床を感じる
・呼吸と一緒に身体を動かす
・関節を細かく動かす
こうした要素がそろって初めて、
筋力が「使える力」になります。
ピラティスでは
・正しい位置
・正しい順番
・正しい感覚
を身体に再教育していきます。
その結果、
・片足立ちが安定する
・動きが軽くなる
・力まなくても支えられる
といった変化が起こります。
simple workout 用賀で大切にしていること

simple workout 用賀では、
「とりあえず鍛える」ことはしません。
まずは
・なぜバランスが崩れているのか
・どこで情報が途切れているのか
・どの順番がうまくいっていないのか
を丁寧に確認します。
その上で、
ピラティスとトレーニングを組み合わせ、
感覚 × 筋力の両方を整えていきます。
「筋力不足だと思っていたけど、原因が違った」
そう気づく方がとても多いです。
まとめ

バランスが取れないのは、弱いからじゃない
バランスが取れない=筋力不足
これはとても根強い思い込みです。
しかし実際は、
・身体の位置を感じ取れていない
・支える順番が乱れている
・感覚が鈍っている
こうした要素が重なって起きています。
だからこそ、
「もっと鍛えなきゃ」ではなく
「正しく使える身体に戻す」ことが大切です。
もし
・鍛えているのに安定しない
・バランスに苦手意識がある
・将来の転倒や不調が不安
そう感じているなら、
一度“力以外の原因”に目を向けてみてください。
身体は、正しく整えれば必ず応えてくれます。
