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筋肉痛=効いてるは誤解?

トレーニングを始めたばかりの人が必ず一度は疑問に思うことがあります。

それは、

「筋肉痛がない日は、トレーニングが効いていないのでは?」

という不安です。

SNSやYouTubeでも、“筋肉痛が来るまで追い込め”“筋肉痛にならないのは甘い”といった極端な情報が多く、筋トレ初心者ほど「痛み=効果」と思い込んでしまいがちです。

しかし実際には、筋肉痛の有無とトレーニング効果は必ずしも比例しません。

むしろ、多くの人は“筋肉痛への依存”によってトレーニング効率を落としています。

この記事では、用賀のパーソナルトレーニングジム simple workout で実際にお客様にお伝えしている内容も交えながら、

なぜ筋肉痛=効いてるではないのか 筋肉痛の仕組み 痛みを追い求めるデメリット 本当に効果が出ているかを判断する正しい指標 効率良く身体を変えるためのトレーニング戦略

を、丁寧に、そして深く掘り下げて解説します。

1|筋肉痛の正体:実際に身体の中で何が起きているのか?

多くの人が「筋肉痛=筋繊維が壊れて成長している」と思いがちですが、実際は少し違います。

筋肉痛には2種類あり、それぞれ原因も役割も異なります。

● ① 即発性筋肉痛(トレーニング直後)

トレーニング中や直後に感じる“パンプの痛み”に近い状態。

原因は乳酸や代謝物質の蓄積であり、筋肉の成長(筋肥大)との相関はほぼありません。

● ② 遅発性筋肉痛(DOMS:翌日〜翌々日)

一般的に筋肉痛と言われるもの。

こちらは筋繊維が微細に損傷し、炎症反応が起きている状態です。

ただし重要なのは、

筋損傷は成長の“きっかけ”にはなるが、成長の“量”を決めているわけではない。

ここを誤解したままトレーニングしてしまう人が非常に多いのです。

2|なぜ“筋肉痛=効いてる”という誤解が広まってしまったのか?

過去のトレーニング文化や心理的要因、情報過多の現代ならではの誤解が重なり、

「痛い=正しい」という間違った常識が生まれました。

● 理由①:初心者は筋肉痛が出やすいから

トレーニング開始1〜3ヶ月は、軽い負荷でも筋肉痛が出やすい時期。

そのため最初の成功体験=筋肉痛 になってしまう。

慣れて筋肉痛が減ってくると

「効いていない?」

と不安になるのはこのためです。

● 理由②:筋肉痛がある方が“頑張った感”が強い

筋肉痛があると「昨日頑張った」という気持ちが得られるため、心理的に満足度が高い。

しかし実際には、

頑張った感とトレーニング効果は一致しません。

● 理由③:SNSの極端な発信

“追い込め!限界までやれ!筋肉痛こそ正義!”

という過激なメッセージは、多くの人の誤解を加速させました。

短い動画やキャッチーな言葉はインパクトがありますが、科学的ではありません。

● 理由④:一部トレーナーが筋肉痛重視の指導をする

筋肉痛が出やすい種目ばかり行えば、短期的には満足してもらいやすい。

そのため「痛み=良いトレーニング」という誤った価値観が強まってしまった側面もあります。

3|筋肉痛が強いからといって、効果が高いとは限らない理由

ここからは、筋肉痛が必ずしも良い指標ではない根拠を専門的に説明します。

● ① 種目によって筋肉痛の出やすさが全く違う

ストレッチ(伸張性刺激)の強い種目は筋肉痛が出やすい。

例:ブルガリアンスクワット ルーマニアンデッドリフト ダンベルフライ レッグカール

これらは筋肉痛が起きやすいだけで、必ずしも成長率が高いわけではありません。

一方、

チェストプレス レッグプレス ラットプル

などは筋肉痛が出にくくても筋肥大効果は十分高い。

● ② 筋肉痛が強すぎると回復が遅れ、頻度が下がる

筋肉は “適切な頻度で刺激を入れ続けること” で最も成長する。

以下のようなケースは成長の妨げになる。

痛すぎて次のトレーニングを2〜3日空けてしまう 日常生活に支障が出るほど筋肉痛がある 疲労が抜けず、質の低いトレーニングになる

筋肉痛は強いほど成長するのではなく、

強すぎる筋肉痛はむしろ“成長を遅らせる原因”になります。

● ③ 炎症が強すぎるとフォームが乱れる

筋肉痛が強い状態でトレーニングすると、

compensations(代償動作)が出やすい 正しい可動域で動けない 別の部位に刺激が逃げる 関節にストレスが溜まる

という悪循環に。

「筋肉痛がある状態で無理にやる」

→「フォームが乱れる」

→「効かない」

→「もっと痛みを求める」

ふという負のループに入ってしまう人は本当に多いです。

● ④ 痛みに依存すると“刺激中毒”になる

「昨日より痛くない=効いてない?」

と勘違いして負荷を一気に上げてしまうケース。

しかし実際には、

身体は痛みではなく“適切な張力(負荷)”で成長する。

4|効果を正しく判断するための5つの指標

筋肉痛は数ある指標のひとつに過ぎません。

本当に重要なのは以下の5つです。

① ターゲット部位に負荷が入っているか(筋収縮の質)

筋トレの本質は“狙った筋肉に負荷を乗せる技術”。

ラットプルで腕ばかり疲れている ベンチプレスで肩に入る スクワットが太もも前にしか来ない

これはフォームの問題であり、筋肉痛があっても効果は薄い。

その部位を使えている感覚があれば、筋肉痛がなくても効いています。

② 可動域とフォームの安定性

良いフォームで動けているかは超重要指標。

以前より深くスクワットできる 背中を丸めずデッドリフトできる 体が左右にブレなくなる 同じ軌道で繰り返せる

これらは筋力向上の“確かな証拠”。

③ 重量・回数・セット数が伸びているか(漸進性の確認)

筋肥大の核心は 漸進性過負荷(プログレッシブオーバーロード)。

30kg → 35kg 10回 → 12回 3セット → 4セット

こうした“微増”が成長の本質。

筋肉痛より、数字の変化の方が圧倒的に信頼できます。

④ パンプ(充血)の有無

パンプは筋肉への血流が増え、代謝ストレスが高まっている状態で、

筋肥大と強い関連があります。

筋肉痛より“トレーニング中のパンプ感”の方が良い指標。

⑤ 日常生活での変化が出ているか

姿勢が良くなる 肩こり・腰痛が減る 階段が楽になる 重い荷物が軽く感じる 体型に変化が出てくる

これらは筋肉痛よりも“確かな成果”を示すサイン。

5|筋肉痛を完全に無視して良いわけではない

ここまで筋肉痛至上主義が誤りだと説明してきましたが、

筋肉痛はまったく意味がないわけではありません。

正しい位置づけは、

**筋肉痛は “刺激が入ったサインのひとつ” であり、

“効果を判断する基準ではない”。**

この解釈が最も正確です。

初心者 → 出やすい 中級者 → 出たり出なかったり 上級者 → ほとんど出ない

というのが一般的な流れです。

6|効果が出るトレーニング戦略”

筋肉痛の有無ではなく、

以下を優先することで、身体は最速で変わります。

① フォーム>重量>回数の順で優先する

正しいフォームで狙った部位を動かすことが最優先。

フォームが固まってはじめて重量を増やす。

② 同じ種目を継続して技術を磨く

毎回違う種目ばかりやると成長しない。

同じ種目で負荷とコントロール力を伸ばすことが筋肉を育てる近道。

③ 重量より“コントロール”を優先

反動を使わない 早く戻さない 緩めない 最後までターゲットを感じる

これが筋収縮の質を高める。

④ 毎回“ほんの少しだけ成長”を目指す

1回増えた

1kg増えた

RPE(きつさ)が安定した

どんな小さな進歩でも、それが最も信頼できる成長指標。

7|まとめ|筋肉痛を追うトレーニングは卒業しよう

✔ 筋肉痛=効いてるは誤解

✔ 痛みは刺激の“サインの一つ”に過ぎない

✔ 筋肥大を決めるのは痛みではなく“負荷・フォーム・頻度”

✔ 評価基準は「フォーム」「可動域」「重量」「回数」「パンプ」

✔ 上級者ほど筋肉痛はあまり起こらない

✔ 痛みより“質と継続”が身体を変える

筋肉痛がなくても、あなたのトレーニングはしっかり効いています。

これを理解するだけで、余計な不安が消え、トレーニングの質は一段上がります。

Simple Workout(シンプルワークアウト)

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